地下鉄工事

都内などでこうした風景をごらんになった方は多いでしょう.何年もの間交通に不便さを与えていることは,都市土木の宿命とでもいえますが,この下では,地下鉄工事が行われているのです.

地上


地下鉄は,昔は開削工法といって道路の地表から縦穴を掘り,中にコンクリートや鉄骨で箱を作り,埋め戻して完成させていました.この写真のような風景が,路線全部で見られたのです.
日本の高度成長時代から,地下鉄も深くなり,また,交通量が増えてきたため,こうした方法は採れなくなりました.
そこで登場したのが,シールド工法という工法です.
私は,この夏,茨城県民大学で,「シールド工法の黎明期」と題した講演を行いましたが,まさに,私が土木の世界に足を踏み入れた頃(昭和45年ごろ)から,盛んに行われるようになったのです.最近では,NHKの「プロジェクトX」という番組で,ドーバー海峡横断工事の紹介で一躍有名になりました.
シールド工法とは,シールド・マシンと呼ばれる円筒状の機械を,地中にジャッキで押し込んでトンネルを作っていく方法です.その一つの例を,このホームページ「業務案内」に掲載してありますからご覧ください.(もっとも,その写真は,下水道用です.大きさは地下鉄用とほぼ同じですが)
機械は先へ進んでいきますが,その後のトンネルはどのように造るのでしょうか.

セグメント

それが,上の写真に見える,白っぽい色の「セグメント」と呼ばれるプレキャストコンクリート部品です.これは,円形のトンネルを56分割してあり,地中に持ち込んで組み立てて円形のトンネルを造ります.写真のオレンジ色の物体は,これをつりおろすクレーンです.
掘った土を運び出すのと,こうしたトンネル材料を地下に入れるための場所として,いくら地下工事でも,少しは地上にスペースがいります.それが,最初の写真のように見えるのです.

地中

中に入りました.この写真は,駅になる部分(発進立坑と呼んでいます)から,トンネルの中を少しだけみたものです.
手前では,シールド・マシンが発進するときジャッキの反力受けとなった仮のセグメントを解体しています.灰色の部分が,実際のトンネルとなるわけです.
この部分は,完成して線路が引かれると下の写真のようになります(上の写真とは場所が違います)

地中

こうして,地下鉄の完成です.駅の部分はホームを作り,案内板などをつけ,むき出しのコンクリート面を覆います.

地下鉄駅


身近な乗り物でありながら,地下鉄の工事現場にはなかなか入れませんが,時々親子見学会などを催すこともありますから,注意して駅などのポスターをみていてください.

 

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