土木講座_2級土木合格を超えて 

 第1部 土木一般

第1章 土工 

第2節 土量の変化と変化率

(1) 土量の変化

土は、この図に示すように、土粒子と水と空気から構成されているので、自然状態のとき(「地山(じやま)」という)と、それを掘り崩したとき(「ほぐし」という)、ほぐした土をたたいたり重量物で押しつぶしたりして固くしたとき(「締固め(しめかため)」という)では、主として空気の体積が変化するために、多くの場合体積変化を起こす。

一般に、自然状態の地山を掘削する(ほぐす)と体積は大きくなる。運搬土はほぐした状態である。この変化率(ほぐし率:L(ルーズ))を図1.2.1右側のL式のように表す。同様にほぐした土を締め固めたとき(代表的な状態は盛土(もりど))の変化率(締固め率:C(コンパクション))も定義される。

       
  図1.2.1 土量の変化   

図1.2.1の相互の関係は以下のようなことを表している。

 @ 地山土量をほぐすとL倍になる。ほぐした土量は運搬土量である。
 A ほぐし土量から地山土量を求めるにはLで割る。
 B ほぐし土量を締固め土量にするにはLで割ってC倍する。
 C 盛土(締固め量)から必要なほぐし(運搬)土量を求めるにはLを掛けCで割る。
 D 地山土量を締め固める(盛土する)とC倍になる。
 E 盛土(締固め量)から必要な地山土量を求めるにはCで割る。

2級受験生の場合、上記の関係を利用した計算問題は、ほぼ毎年出題されているから、これらの関係をよく理解しておくことが必要である。
また、LおよびCの値は通常問題文中に条件として与えられるから、覚える必要はないが、おおよその値は表1.2.1のとおりである。

試験のためではなく、実務的にはある程度の傾向は覚えておくとよい。運搬計画や、盛土計画の際役に立つであろう。

  表1.2.1 土の変化率のおおよその値)   
   土の名称  ほぐし率(L) 締固め率(C)   
   中硬岩 1.50〜1.70 1.20〜1.40  
   れき質土 1.10〜1.30 0.85〜1.00  
   砂質土 1.20〜1.30 0.85〜0.95  
   粘性土 1.20〜1.45 0.85〜0.95  

建設機械の能力算定式などの中に、土量換算係数(f)が使われることがある。これについては、建設機械の作業能力のところで説明する。
この土量換算係数(f)は、2級土木受験参考書などにはほとんど登場しないが、平成20年度の問題【49】に出題されたことがある。

(2) 例題

土量の変化と変化率は計算問題として出題されるから、例題を挙げておく。計算問題は、紙と鉛筆を使って自分で実際にやってみることが大切である。とくに2級試験は電卓の使用ができないので注意する。
例題:1,000m3の盛土をするために必要な地山土量と運搬土量はそれぞれいくらか。ただし、土量の変化率は L=1.2、C=0.8 とする。

 図1.2.2 例題の説明

問題は、図1.2.2において、ある量(X)の地山を掘削して運搬(土量(Y))し、締固めて1,000m3の盛土をしたというのであって、その(X)と(Y)を求めることが題意である。

土量の変化率 L と C は、図1.2.1右側の式でわかるように、基準は(分母は)「地山土量」であるから、まず「地山土量」を求める。
わかっている(与えられている)のは「締固め土量」で、1,000m3、それに「締固め率 C=0.8」であるから
    1,000                                              1,000
C=-----------=0.8 と、表すことができる。これから式を変形して、 地山土量(X)=-----=1,250 (m3)となる。
  地山土量(X)                                            0.8
従って、地山土量(X)=1,250 m3 である。

次に、運搬土量(=ほぐし土量)は、ほぐし率に地山土量を掛ける事によって求められる。 運搬土量(ほぐし土量)(Y)=L × 1,250 (m3)となる。

よって、運搬土量(ほぐし土量)(Y)=L × 1,250 = 1.2 × 1,250 = 1,500 (m3 )となる。



図表の出典 
 表1.2.1  筆者作成
 図1.2.1  筆者作成 
 図1.2.2  筆者作成(イラストは「Office.comクリップアート」より)

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