土木講座_2級土木合格を超えて 

第1部 土木一般

第3章 基礎工 

第1節 基礎工概要

(1) 基礎の分類

基礎 (きそ:Foundation) とは、構造物からの荷重を地盤に伝達し、構造物を安全に支える機能をもつ部分である。基礎と橋脚・橋台などで構成される部分を下部構造と呼び、その上部にある橋梁などの構造物本体を上部構造と呼ぶ。

基礎は一般にコンクリート構造または鋼構造であり、現在では木造(松杭など)はほとんど見られない。(注1)

基礎は、荷重を伝達するべき地盤が浅い箇所にあるか深い箇所かによって、構造形式が変わるから、「浅い基礎」及び「深い基礎」のように大きく分けられるが、そのほか、工法や材料による分類方法もある。一般には図3.1.1に示すように分類されている。

以下、本節では、着色した基礎について概要を述べる。詳細や、説明図、写真などは第2節以降に掲載する。

   
図3.1.1 基礎の分類  

(2) 直接基礎

良好な支持地盤が比較的浅く存在する場合に採用される基礎形式である。各種土木構造物基礎の多くがこの基礎形式であるが、超高層ビルなどでも採用されることがある。たとえば横浜ランドマークタワーの基礎などもこの形式である。(注2)

   
    写真3.1.1 ランドマークタワー


(3) 杭基礎

支持地盤が比較的深い場合に最少される。支持方式によって、支持杭と摩擦杭に分けられる。 支持杭は先端を支持地盤に到達させ、主として杭の先端に上向きに働く先端支持力によって荷重を支える。
摩擦杭は先端を支持層まで到達させず、主として杭の側面と地盤との間に働く周面摩擦力によって荷重を支える。

杭の材料には、木、コンクリート、鋼管などがあるが、施工管理技士検定試験では、通常製造方法により既製杭と場所打ち杭として分類され、それぞれの施工方法についての出題が多い。

① 既製杭工法

工場等で製造された杭を現場に運搬して、各種の施工法の内打ち込みあるいは埋め込みまたは振動工法によって支持地盤まで到達させ基礎杭とする方法である。運搬では長さおよび直径が限定される。長さの点は継ぎ杭としてある程度解決できるが、直径は限界がある。

② 場所打ち杭工法

構造物構築に先立って、その構築場所で地中に穴を掘り、それを型枠代わりに地中で杭を構築する工法である。杭径や長さを比較的自由に設定できるため、近年では杭基礎の主流となっている。

機械掘削には、図3.1.1にあるように、オールケーシング工法、リバース工法、アースドリル工法の3工法がある。
深礎工法は人力による掘削であるが、近年では油圧式のテレスコピック・クラムシェルによる機械掘削も取り入れられている。ちなみに深礎工法は、アメリカ(シカゴ)が発祥の地であるといわれるが、日本において実用化、発達した工法である。(注3)


(4) ケーソン基礎

鉄筋コンクリートの箱ないし筒を地上で構築し、内部を掘削しながら徐々に地中に沈設する工法である。沈設した分を順次地上で継ぎ足すため、大深度も可能である。

地上から直接底面を掘削したり、掘削は底盤部で行い排土を地上から直接バケットなどで行うケーソンをオープンケーソンと呼ぶ。これに対し、隔壁により作業室とそれ以外の部分を隔離し、作業室は高圧気にして地下水に対処する方式をニューマチックケーソンと呼ぶ。

地下水位以下の作業においては、オープンケーソンの場合水中掘削とする場合もある。また、ニューマチックケーソンにおいては、高圧気中の作業性が良くない点を、ロボットによる作業で置き換える無人化施工も行われている。


(5) 鋼管矢板基礎

連結継ぎ手をもった鋼管矢板を井筒状に打ち込み、頭部を頂版で結合して一体化させ基礎とするものである。河川や海中での基礎施工の際、上部を仮締切工として兼用できるため経済的であるなどのことから、施工例が増えている。

(6) 地中連続壁基礎

地中連続壁は、本来仮設壁であったが、本体利用を図るための技術開発により基礎工法にも採用されてきた。
基本的に場所打ち杭を壁状に応用施工したものであり、その断面形状からケーソン基礎と同様な剛性を持つものとされている。



【注1】
「特集 わが国の歴史的構造物と基礎」 「基礎工」Vol.31,No.1 2003年 総合土木研究所
国内の構造物基礎における木材利用事例と設計方法の変遷」 2012年3月 公益社団法人土木学会 木材工学特別委員会

【注2】
横浜ランドマークタワーの基礎設計と施工」 「土と基礎」41-12 1993年 公益社団法人地盤工学会

【注3】「技術手帳 深礎工法」 「土と基礎」25-2 1977年 公益社団法人地盤工学会



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図・表・写真の出典 
図3.1.1  「土木施工管理技術者指定講習用テキスト CPDSⅢ 一般土木工学編 改訂第1版」 2009年 98ページ 図3.1.1 (一部修正) 一般社団法人全国土木施工管理技士会連合会
写真3.1.1  筆者撮影(2008年7月25日)

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