土木講座_2級土木合格を超えて 

第1部 土木一般

第3章 基礎工 

第2節 直接基礎

(1) 直接基礎の条件

直接基礎は、地盤の浅いところに良好な支持地盤が得られる場合、構造物の荷重を直接その支持地盤で支持させる基礎である。

この「浅い」というのは比較の表現であり、超高層ビルの直接基礎などは、比較的小規模構造物であれば杭基礎の支持地盤とされる「深い」箇所まで掘削して直接基礎を作るから、相対的なものであると考えるべきである。ちなみに、東京など大都市でのいわゆる超高層ビルと言われる建物の多くは直接基礎である。

これは、支持地盤まで杭基礎を施工すると、超高層ビルの場合、支える本体の荷重が大きく、杭の仕様が巨大になるため、支持地盤まで掘り下げて直接基礎としたほうが有利であるという判断からである。

直接基礎は、次の3条件を満足する必要がある。
  1. 支持地盤の安定、転倒に対する安定、滑動に対する安定が得られること。
  2. 鉛直荷重は、基礎底面地盤の鉛直地盤反力のみで抵抗させること。
  3. 水平荷重は、基礎底面のせん断地盤反力のみで抵抗させること。
直接基礎には、フーチング基礎(footing foundation)とベタ基礎(mat foundation)、布基礎(連続フーチング基礎)などがあるが、土木施工管理技士としては、代表してフーチング基礎(図3.1.1の(a)独立フーチング)を勉強しておけば良いと考えるので、以下はそれに限る記述とする。
   
図3.2.1 フーチング基礎の例  

(2) 直接基礎の施工

① 支持層の確認

支持層が砂層または砂礫層の場合は十分な強度が必要であり、粘性土層では圧密のおそれのないことが必要になる。それぞれ試験による確認が望ましいが、砂層または砂礫層では、N値がおよそ30以上、粘性土層では同20以上あれば良好と見なしてよい。

ただし、砂礫層の場合は、礫を直接打撃してN値が大きく出る傾向があるので慎重な検討が必要である。

② 砂質地盤での施工

基礎地盤面の掘削は、掘りすぎないように注意し、機械掘削の場合でも床付け面は人力によるものとする。ある程度の不陸は残し、湧水や雨水によって乱されないように、すぐさま割り栗石敷き均しを行うか、すぐに行えない場合はシートなどで養生するなどの注意をする。

割り栗石、砕石などは、並べるのではなくたたいて十分に基礎底面地盤にめりこませ(なじませ)、その上に均しコンクリート(※1)を打設する。

均一でない地盤で、一部が不良地盤の場合、その部分を良質土(又はコンクリート)で置き換える。

(地盤の支持力が小さい場合は、基礎底面の面積を増加させることによって、分布荷重を軽減することが出来る。)

③ 粘性土地盤での施工

粘性土地盤で掘りすぎ(ほぐしすぎ)たり、水を含んだりすると、強度が極端に低下するので、砂質地盤以上に注意する。その他の作業は砂質地盤に準じるが、支持力の増加方法としては、根入れを深くすることによって行う。

④ 岩盤上の施工

基礎地盤が岩盤の場合は次のように行う。
  1. 岩盤面の浮き石などを取り除き十分に洗浄して、直接その上に基礎を施工する。
  2. 不陸がある場合は、均しコンクリート(または敷きモルタル)を打設して平滑にし、基礎を施工する。(割り栗石や砕石を使用すると、空隙ができ、基礎底面が岩盤に定着せず、滑動抵抗が不足するおそれがある。)
  3. 岩盤が斜面の場合は、階段状に掘削して水平面を作る。
  4. 岩盤を掘り込んで施工する場合の埋め戻しは、貧配合コンクリートで行う。
図3.2.1に、直接基礎の模式図を示す。
   
図3.2.2 基礎底面処理の例  

⑤ 基礎底面に突起を設ける場合

②、③で、支持力の不足の場合の対処を述べたが、滑動に対する抵抗力が不足する場合は、底面に突起を設けることが行われる。突起は、フーチングと一体になるよう施工し、先端は十分支持地盤に貫入させる。
   
図3.2.3 基礎底版突起の例  


(※1)均しコンクリート:砕石や割り栗石を敷き均した上に打つコンクリートのことで、国土交通省の基準では、設計基準強度18N/㎜の無筋である。鉄筋組立や
              型枠組立の足場や、墨出しをするために水平に均すが、本体構造物の強度等の計算では無視する。以前は「捨てコンクリート」などと呼
              ばれた。(なお、建築では考え方に若干の相違があるようであるが、筆者は土木についてのみ述べる。)


(3) 直接基礎の施工例

   
  写真3.2.1 砂地盤上の直接基礎フーチング

前項で横浜ランドマークタワーの基礎などもこの形式であると述べたが、身近な例として、携帯電話網のアンテナ塔の基礎を紹介する。

現地は海沿いの平地で、砂地盤である。中央の一段高くなっている灰色の部分が接続用の埋め込みのボルト群で、この上に鉄塔が建つ。その直径と比較するとフーチング部の直径はかなり大きいが、そのため転倒に抵抗ができるのである。





;
図・表・写真の出典 
図3.2.1  「わかり易い土木講座6土木学会編集 新訂第二版 土質工学」 1991年 251ページ 図8.2 箭内寬治・浅川美利 株式会社彰国社
図3.2.2  「土木施工管理技術者指定講習用テキスト CPDSⅢ 一般土木工学編 改訂第1版」 2009年 126ページ 図3.4.3 一般社団法人全国土木施工管理技士会連合会
図3.2.3  各種参考文献より筆者作成
写真3.2.1  筆者撮影(2000年6月2日)

目次に戻る  トップページに戻る  第14回へ進む

 Copyright(C) 1999~2013 有限会社水野テクノリサーチ All Rights Reserved