土木講座_2級土木合格を超えて 

第1部 土木一般

第3章 基礎工 

第6節 鋼管矢板基礎

鋼管矢板は、主として土留め工として用いられていた鋼管矢板を環状に打つことによりケーソンとしての特性を持たせたものである。

鋼管矢板一般についての説明は、リンク先一般社団法人鋼管杭・鋼矢板技術協会サイト内の「鋼管矢板」のページ)を参照していただくとして、本節では、受験にに必要な範囲に絞って解説する。

鋼管矢板のサイズとしては、おおむね径1.0m前後のものが用いられている。鋼管矢板は鋼管に継ぎ手を取り付け、その継ぎ手によって連結していくが、継ぎ手の形状もメーカー等によりいくつかの種類がある。

鋼管矢板基礎の特徴は以下のとおりである。
  • 構造的には、ケーソン基礎と杭基礎の中間的な設計となる。
  • 機械化施工、急速施工に適している。
  • 仮締切兼用方式の採用により、水上施工や軟弱地盤での施工が容易となる。
図3.6.1は、現在多く使われている仮締切兼用方式の概念図である。なお、参考にその他の方式も図3.6.2に示す。

   
図3.6.1 仮締切兼用方式の例 図3.6.2 鋼管矢板基礎のタイプ 


(1) 施工順序

ここでは、前述の仮締切兼用方式について、その施工順序を述べる。

図3.6.3 鋼管矢板基礎の施工順序    
  1. 鋼管矢板の打込み
    打込み用の作業足場組立、または杭打ち船によって、建て込みと打込みを行う。この際の留意事項は、既製杭基礎施工に準じる。
  2. 継ぎ手処理と本管補強及び底盤コンクリート工
    継ぎ手内の土砂を除去し、モルタルで固める。また、鋼管内の土砂を必要深さまで除去し、コンクリートを打設する。
    また、躯体施工時のドライアップのため、止水コンクリートを底盤に施工する。
  3. 支保工
    底盤コンクリートが十分な強度になったら排水する。排水は徐々に行い、変形に注意する。所定の位置に支保工を組み立てる。
  4. フーチング等の構築
    フーチング、ピアーを構築する。この際、結合のためにジベル(コンクリートと鋼管杭を結合するためのせんだん抵抗用鋼材)、支圧板などを溶接する。
  5. 支保工撤去・鋼管矢板水中切断
    支保工を撤去するとともに、仮締切部分の鋼管矢板を切断する。水中切断が一般的で、ディスクカッター切断法、プラズマアーク切断法、ウオータージェット切断法などがある。
(2) 参考

筆者は、鋼管矢板基礎工施工の写真を持ち合わせていないが、耐震護岸工における台船使用の鋼管矢板施工写真(台船設備及び圧入)を参考までに掲載する。鋼管矢板基礎施工のイメージは理解できると考える。

写真3.6.1 耐震護岸施工全景 写真3.6.2 鋼管矢板圧入

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図・表・写真の出典 
図3.6.1  「土木工法事典 改訂Ⅴ」 266ページ 図3.4.4 2001年 産業調査会事典出版センター
図3.6.2  「土木施工管理技術者指定技術講習用テキスト CPDSⅢ一般土木工学編改訂第1版」150ページ 図3.7.1 平成21年 (一社)全国土木施工管理技士会連合会
図3.6.3  「土木施工管理技術者指定技術講習用テキスト CPDSⅢ一般土木工学編改訂第1版」150ページ 図3.7.2 平成21年 (一社)全国土木施工管理技士会連合会
写真3.6.1~3.6.2  撮影筆者(1997年11月7日

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