土木講座_2級土木案内 

 このページでは、「土木とは何だろうか」と考える一方で、2級土木施工管理技術検定試験を受験しようと考えている方のために、同試験の概要と勉強上の留意点を述べるので参考にされたい。

(本サイト当面の内容は勉強上の留意点のみとするが、試験の期日(平成25年度は10月27日)に接近したら、具体的な受験場での注意なども追加の予定である。その場合、トップページでお知らせする。)

なお、2級土木施工管理技術検定試験には、土木、鋼構造物塗装、薬液注入の3種別があるが、本講座の対象は「土木」のみである。

この試験は、土木分野の国家資格を得る試験のうちで、最も若いうちに受験できるものである。指定の学科を学んでいれば、高等学校等在学中に学科試験を受験できるから、就職してからの負担がかなり軽くなるであろうと考えられる。
試験の制度や受験方法など詳細は「一般財団法人全国建設研修センター」のサイトで案内されているから、リンク先を見ていただきたい。(本「土木講座」に限らず、いろいろなサイトや学校等で案内などが行われているが、必ず「一般財団法人全国建設研修センター」の案内を読むこと。同センターでの案内以外の方法では受験できないし、試験合格以外(免除、推薦等)では国家資格が得られないから注意のこと。もちろん本「土木講座」で勉強したからと言って、合格を保証するものではない。)
土木施工管理検定試験の根拠

土木施工管理技士とは、建設業法第27条及び建設業法施行令第27条の3に定められている技術検定の1つである「土木施工管理」試験に合格し、申請した上で合格証明書を国土交通省より交付されれば称することの出来る国家資格であり、1級と2級がある。
(いわばどうでもよいことについて一言。法律では「一級」「二級」という表現になっているが、実際の資格証明書では「1級」「2級」となっている。本サイトでは混在する場合がある。)


建設業法
(技術検定)
第二十七条  国土交通大臣は、施工技術の向上を図るため、建設業者の施工する建設工事に従事し又はしようとする者について、政令の定めるところにより、技術検定を行うことができる。
2 前項の検定は、学科試験及び実地試験によって行う。
3 国土交通大臣は、第一項の検定に合格した者に、合格証明書を交付する。
4 合格証明書の交付を受けた者は、合格証明書を滅失し、又は損傷したときは、合格証明書の再交付を申請することができる。
5 第一項の検定に合格した者は、政令で定める称号を称することができる。

建設業法施行令
(技術検定の種目等)
第二十七条の三  法第二十七条第一項 の規定による技術検定は、次の表の検定種目の欄に掲げる種目について、同表の検定技術の欄に掲げる技術を対象として行う。
検定種目 検定技術
建設機械施工 (略)
土木施工管理 土木一式工事の実施に当たり、その施工計画の作成及び当該工事の工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理を適確に行うために必要な技術
建築施工管理 (略)
電気工事施工管理 (略)
管工事施工管理 (略)
造園施工管理 (略)
2 技術検定は、一級及び二級に区分して行う。
3 建設機械施工、土木施工管理及び建築施工管理に係る二級の技術検定は、当該種目を国土交通大臣が定める種別に細分して行う。
(中略)
(称号)
第二十七条の八  法第二十七条第五項 の政令で定める称号は、級及び種目の名称を冠する技士とする。

 
本試験の特色(と、筆者が考える点)は次の通りである。 
  1. 国家資格である。試験に合格(学科実地とも)して所定の手続きを行なうと、国土交通大臣から技術検定合格証明書が交付され、「二級土木施工管理技士」と称することができる。(なお、「二級土木施工管理技士」は、建設業法に定められた一般建設業の許可要件である営業所における「専任技術者」及び工事現場における「主任技術者」となることができる。)
  2. 試験には学科試験(4肢択一式)と実地試験(記述式)があり、一級土木施工管理技術検定試験とは違って同日に連続して行われる。
  3. 実地試験(記述式)のうち「必須問題」には、実際に体験した工事についての記述を求められる設問があり、毎回違った「施工管理」上のテーマが与えられる。受験生にとっては、この設問が最大の難物であると思われる。
  4. 学科試験に合格して実地試験に不合格な場合、翌年度に実地試験のみを再受験できる。
  5. 問題は(別に見る通り)土木施工(施工に関する法規、管理技術なども含む)の広い分野を横断して出題されるから、学習で土木全体を俯瞰できる。(もちろん一級土木施工管理技術検定試験のほうが、より広い隣接分野(電気や機械など)を含むし、国家資格としては上級であるから、土木技術者としては、こちらの合格が望ましい。本講座は、あくまでも初学者向けであり、土木の世界をのぞいてみたばかりの初学者向けである。)
  6. 問題がストレートである。ある先生の言葉を拝借すれば、2級の問題は定理や定義(のようなもの)が出題される、1級はその解説から出題される。
  7. 通常、学科問題は61問出題され、40問解答する。40問の6割(24問)以上正解で合格となる。実地問題については合格ラインは公表されていない。
  8. 平成24年度の合格率は、学科試験53.2%(出席者28,939人/合格者15,399人)、実地試験23.9%(出席者28,085人/合格者6,725人)である。
  9. 合格者属性で勤務先を見ると、知事許可(土木)会社が51.7%で、地方の比較的小規模な会社の割合が高い。年齢では25歳から39歳で63.8%となっていて、幅が広く分布している
    S
では、実際にはどのような分野の問題が出題されるのであろうか。出題される問題に、分野の説明があるわけではないので、参考書等で若干異なるが、学科試験ではおおむね以下のような出題構成になっている。実地試験については別項として述べる。(なお、順次当該講座にリンクしていく予定である)

◎学科試験の内容
  1. 土木一般
    通常、出題番号の1から11の11問で、そのうち9問を選択解答する。内容は次のようで、土木の基礎分野である。
    • 土工 (土質調査・土質試験・土量の変化率・盛土・法面保護など)
    • コンクリート工  (コンクリートの材料・性質・配合・施工など また、鉄筋工・型枠工など)
    • 基礎工  (直接基礎・既製杭・場所打杭・ケーソン基礎・土留め工・軟弱地盤対策など)
  2. 専門土木
    出題番号12から31までの20問で、そのうち6問を選択解答する。土木施工各論で、非常に広い範囲であるが、各分野1問程度なので、各分野の特色を中心に勉強するとよい。
    • コンクリート構造物  (擁壁などの構造物・打継ぎ目施工・プレストレスコンクリートなど)
    • 鋼構造物 (鋼材の知識 鋼橋の架設工法など)
    • 河川 (河川工事のうち築堤・護岸・水制など)
    • 砂防 (砂防ダム・流路工・地すべり防止工など)
    • 道路 (路床・路盤・アスファルト舗装・コンクリート舗装など)
    • 上水道 (上水道施設の知識・導水管、配水管、給水管路の施工など)
    • 下水道 (管渠基礎・接合方式・管渠の施工(開削工法・推進工法・小口径推進工法など)
    • ダム ( ダムの構造・仮設備 コンクリートダムの施工(とくにRCD工法と在来工法との比較))
    • 海岸・港湾 (海象・海岸堤防・浸食対策・防波堤・係留施設など)
    • トンネル (山岳トンネルの掘削方式・支保工・覆工 NATM工法など)
    • 鉄道  (線路構造 営業線近接工事・線路閉鎖工事など)
    • 地下構造物 (開削工法・シールド工法など)
  3. 土木法規
    出題番号32から42までの11問で、そのうち6問を選択解答する。土木技術者が苦手とする分野であるが、出題箇所はほぼ決まっている。
    • 労働基準法 (労働条件の明示・解雇・賃金・労働時間・休日・休憩・就業規則・就業制限など)
    • 労働安全衛生法・労働安全衛生規則 (計画の届出・作業主任者・安全衛生教育など)
    • 建設業法 (建設業の許可・請負契約・主任技術者・監理技術者など)
    • 道路法・道路交通法  (車両制限令・積載制限・道路の占用など)
    • 河川法 (河川管理者の許可など)
    • 建築基準法 (建築物の定義・確認申請・建築物の制限 とくに仮設建築物)
    • 火薬類取締法 (火薬類の貯蔵・取り扱い・許可など)
    • 騒音規制法・振動規制法 (特定建設作業・規制基準・実施の届出など)
    • 港則法 (港長 の許可・航路・航法など)
    • 環境関連法 (公害・廃棄物・建設リサイクル法など)
  4. 施工管理
    出題番号43から61までの19問で、全問解答すべき必須問題である。
    • 測量 (水準測量・トランシット測量・測量器械の知識 GPSの知識などは今後予想される)
    • 公共工事標準請負契約約款 ( 工事関係者の職務・工事代金の支払い・設計変更など)
    • 設計図書  (設計図書の内容・設計図の記号等の理解など)
    • 建設機械 (内燃機関・電動機・建設機械の使用目的・能力など)
    • 施工計画 (施工計画の基本的知識(PDCAなど))
    • 工程管理 (工程表の種類・特色 ネットワークの計算など)
    • 安全管理 (安全管理体制・足場、高所作業、型枠支保工、掘削作業、建設機械作業、酸欠危険作業、高圧室内作業各々の安全基準など)
    • 品質管理 (品質管理の目的、手順・品質特性・ヒストグラム・工程能力図・管理図など)
    • 環境管理 (建設廃棄物対策など)
以上のように分野は多岐にわたり、一見すると大変なように見えるが、内容的にはこの資格の名称が示すように、施工管理上の概略の知識(後述。それも応用分野ではない)を備えているかどうかを見るのであるから、恐れることはない。

試験問題は、選択問題と必須問題とで構成されており、いずれも四肢択一方式で出題されている。四肢択一式であるから設問とそれに対する答えの肢が4つ用意されており、その4つの答の中から設問に対して正答の肢を選ぶことになる。
選択問題は、全部解答するのではなく、出題区分毎に選択・解答する問題数が、最初の部分にそれぞれ示されるので、それを守る。
決められた問題数以上に解答すると、その分減点の対象になるので十分な注意が必要である。(毎年必ずこの注意事項を読まないで全問解答するのだと思い込んでしまう受験者がいる。)
もちろん、必須問題は、全問解答することになる。

それぞれの解答は問題用紙とは別の解答用紙に、マークシート方式で記入する。
マークシート方式では、記入する位置を誤ると、それに影響されて他の部分も誤ることが多いので、これも十分な注意が必要である。
また、誤った場合、消し方が不十分であると読み取り機械が誤読し2つのマークとされ不正解になるので、書き直す場合はよく消すことが必要である。

ここで、四肢択一式の解答肢を分析してみると
@ 正しい答
A 正しい答えと誤認しやすい記述
B 残り2つの肢は、誤りが解りやすい蛇足に近い記述
という4つの肢で構成されたものが多い。

まず蛇足に近い記述の肢2つを見つけて消去することが重要で、この結果、四肢択一が二肢択一になり正解解答率が50%になる。
往々にして、四肢の中で一つだけAを見つけると、他の三肢を読まないで解答してしまい、結果として不正解になることがある。冷静さが大切である。

また、設問は、おおむね問いかけ方が次のようになっている。

@ 「適当なものはどれか」あるいは「適当でないものはどれか」
A 「該当するものはどれか」あるいは「該当しないものはどれか」
B 「正しいものはどれか」あるいは「誤っているものはどれか」

試験を受けた後の受験者に聞いてみると、設問を読み誤ったということを悔やむ者が少なからずいる。
問いかけ方では「適当でないものはどれか]が40%以上を占めているが、これらを逆に読み誤ると、全く異なった解答になるのは自明である。問題ごとにどの設門であるかをよく確認し注意して解答することが重要であろう。

一般的な注意事項として、次の点が挙げられる。
@ 時間が余ったら解答の見直しを行う。
A 解答を訂正する場合は、消しゴムでよく消したうえで書き直す。判断できない答及び紛らわしい答は採点の対象とならないから注意する。
B 試験場では、筆記用具のみで、電卓、参考書等は使用できない。
C 問題用紙と解答用紙は別々になっているから、解答用紙に答えを書き写すときに間違わないように注意する。
D 試験室には余裕をもって入室する。


◎実地試験の内容

本試験は、同日に実地試験が行われる。
午前が学科試験、午後が記述式論文(課題と対策・措置)を加えた実地試験になっている。
その結果、午前の試験の出来を自己採点したうえ、結果が良くないので午後を受けても駄目だと勝手に決めつけて放棄する人がいる。短時間での自己採点結果は、たとえ悪く思ってもそれは勘違いで、結果的に合格している可能性もある。
試験というものは最後まで粘る人が合格している例が多い。一度の受験で合格するよう、最後まで粘って粘って粘りぬこう。

実地試験とはいっても、実際に現場で実技を行うのではなく、一種の筆記試験である。どのような点で「実地」といえるのかといえば、次のような問題が出題されるからである。平成24年度の出題例で説明する。

問題は5問、そのうち問題1から問題3は必須で、問題4と問題5は、どちらか1問題を解答する選択問題となる。

問題1は、例年ほぼ同じ形式で「経験記述問題」と呼ばれている。これが受験生の最も苦心する問題である。(赤字強調は筆者)

最初に次のような注意がある。
問題1で
@ 設問1の解答が無記載又は記入漏れがある場合,
A 設問2の解答が無記載又は設問で求められている内容以外の記述の場合,
問題2以降は採点の対象となりません。

つまり、この問題で「設問で求められている内容以外の記述」をすれば、それで不合格になるのである。

  【問題 1】 あなたが経験した土木工事の現場において,工夫した品質管理又は工夫した環境
対策のうちから1つ選び,次の〔設問1〕,〔設問2〕に答えなさい。


〔注意〕あなたが経験した工事でないことが判明した場合は失格となります。
 
 
〔設問1〕

あなたが経験した土木工事に関し,次の事項について解答欄に明確に記入しなさい。

〔注意〕経験した土木工事は,あなたが工事請負者の技術者の場合は,あなたの所属会
   社が受注した工事の内容について記述してください。従って,あなたの所属会社が二
   次下請業者の場合は,発注者名は一次下請業者名となります。
   なお,あなたの所属が発注機関の場合の発注者名は,所属機関名となります。
 
 
(1)工事名
(2)工事の内容
 @ 発注者名
 A 工事場所
 B 工   期
 C 主な工種
 D 施 工 量
(3)工事現場における施工管理上のあなたの立場
 

〔設問2〕

上記工事で実施した「現場で工夫した品質管理」又は「現場で工夫した環境対策」の
いずれかを選び,次の事項について解答欄に具体的に記述しなさい。

(1)特に留意した技術的課題
(2)技術的課題を解決するために検討した項目と検討理由及び検討内容
(3) 技術的課題に対して現場で実施した対応処置 
 

「例年ほぼ同じ形式」と書いたが、〔設問2〕の赤字部分は当然毎年度違う。この部分について平成17年度以前は、「品質管理又は工程管理」について、受験者自身が特に留意した技術的課題とそれを現場で実施した時の対策・処置についてのまとめをしておけばよかった。
ところが、平成18年度からは、以下のようになった。

 平成18年度
〔設問2〕

上記工事の施工にあたって,「施工計画立案時の事前調査」又は「現場で実施した毎日の安全管理活動」で,特に留意した技術的課題,その課題解決するための検討内容と現場で実施した対策や処置を,解答欄に具体的に記述しなさい。 
 
 平成19年度
〔設問2〕

上記工事の施工にあたって,「安全施工の作業開始前点検」又は「降雨の影響を防止するための品質確保対策」で,特に留意した技術的な課題,その課題を解決するために検討した内容と採用に至った理由及び現場で実施した対応処置を,解答欄に具体的に記述しなさい。
ただし,「安全施工の作業開始前点検」については,建設機械の整備点検に関するものを除く。 
 
 平成20年度
〔設問2〕

上記工事の施工にあたって,品質を確保するために現場で創意工夫して実施した施工方法,又は品質を確保するための品質確認方法で,特に留意した技術的な課題,その課題を解決するために検討した内容及び現場で実施した対応処置を,解答欄に具体的に記述しなさい。 
 
 平成21年度
〔設問2〕

上記工事の中で,実施した「環境対策」又は「安全対策(ただし,交通誘導員に関する
ものは除く。)
」のいずれかを選び,次の事項について解答欄に具体的に記述しなさい。
(1) 特に留意した技術的な課題
(2) 技術的な課題を解決するために検討した項目とその内容
(3) 技術的な課題に対して現場で行った内容 
 
 平成22年度
〔設問2〕

上記工事で実施した「安全管理」又は「工程管理」のいずれかを選び,次の事項につい
て解答欄に具体的に記述しなさい。
(1) 特に留意した技術的な課題
(2) 技術的な課題を解決するために検討した項目とその内容
(3) 技術的な課題に対して現場で行った内容
 
 平成23年度
〔設問2〕

上記工事で実施した「現場で工夫した工程管理」又は「現場で工夫した環境対策」の
いずれかを選び,次の事項について解答欄に具体的に記述しなさい。
(1) 特に留意した技術的課題
(2) 技術的課題を解決するために検討した項目と検討理由及び検討内容
(3) 技術的課題に対して現場で実施した対応処置 
 

最初に「〔注意〕あなたが経験した工事でないことが判明した場合は失格となります。」ともあるから、「現場で工夫した」という条件が効いてくる。
ただ、いろいろ聞いてみると、受験者にとってのハードルはこうした事ではないらしい。自分が現場で行ったことについての「作文」ができないということが最大の問題点であるという。そこから代筆業などが生まれるのであろう。

経験したことを、自分で文章を組み立てて、決められたスペース(以前は字数であった)内で答える記述式ということが、選択肢から正答を選んでマークするという形式に比べ、受験者にはかなり困難に感じられるという感想が聞かれる。
土木現場の実務者には、こうした、文章を書く機会が少ないのは確かである。これは、いくら講義を聞いても参考書を読んだとしても身に付くものではない。やはり、ある程度の訓練が必要であろう。本講座でも、どのようにしたら試験官に読んでもらえて合格点をもらえる文章が記述できるかを、丁寧に述べる予定である。

しかしそれまでの間は、上に紹介した事を念頭に置いて日々の現場の仕事に従事していただきたい。なんと言っても「現場で工夫した」事が重要なので、それがなければ「作文」にならない。

これ以外の問題では、与えられたテーマについて自由に記述して解答する形式と、与えられた語句群から空白部分に当てはまる適当な語句を選択して記述する形式がある。
テーマは、おおむねコンクリートや土工、基礎工、環境管理などで、筆記試験の勉強が曖昧でなく的確にできていれば恐れることはない。
ただしこの形式でも、文章の脈絡と語句の関係を正確に把握していないと、四肢択一のようにはいかない。
これらがあるため、「実地」の経験が重要になってくるのである。



試験の難易度

試験の難易程度は、受験資格である大学の指定学科卒業後1年以上、短大・高専の指定学科卒業後2年以上、あるいは高等学校卒業後3年以上の実務経験(詳細は「受験の手引き」参照)とあるほか、学科試験のみ受験では、実務経験は必要がない、というということから、おおむね予想できる。
周知のように、二級検定試験には3つの種別(土木、鋼構造物塗装、薬液注入)があり、それぞれ試験の内容が異なるが、平成24年度の「受験の手引き」には「土木」について次のようにある。(平成25年度の「受験の手引き」は平成25年3月15日から発売される)

     
これらの中で、特に注意しなければならないことは、学科試験で「概略の知識を有すること」とあり、実地試験では「一応の応用能力を有すること」とあるということである。
ちなみに、土木以外の種別を見ると、学科のうち種別にかかわる「鋼構造物塗装施工管理法」及び「薬液注入施工管理法」では「一般的な知識を有すること」となり、同じく実地試験では「高度の応用能力を有すること」となっている。文言だけからみるとハードルが幾分高くなっているようである。
これは土木以外の種別では、専門的分野に特化しているためであるから、十分理解できる。

このように、土木種別では、この試験は、「概略の知識」とそれを実務上に適用する「一応の応用能力」があれば合格できるということになる。
しかし、これがやさしいのか難しいのかは、各自の感じ方が分かれるであろう。
ひとつ言えることは、「概略の知識」なのであるから、しっかりと準備しさえすれば、決して難しい試験ではないということである。不合格者の大部分は、自分の経験と知識を客観的に整理する事をしないで、ただ漫然と受験していると思われるのである。

合格基準は、例年合格発表時に公表され、平成24年度は次のようである。
 
●配 点
(学科のみ) (土木・鋼構造物塗装・薬液注入とも)
1問1点とし、その合計を得点とする。
●合格基準
(学科のみ) (土木・鋼構造物塗装・薬液注入とも)
選択問題、必須問題を合わせて解答する40問のうち、24問以上正解を基準としています。 
 

これも、過去変化がないので、今年度も同様と考えると、60%以上の正解が必要である。
実地試験についての発表はないが、こちらは記述式で、受験者のばらつきを考えると65%程度と考えられる。

しかし、試験場で60%正解したと思っても、思わぬ勘違いをしている場合があるから、余裕をもった解答が必要である。
また、自分の得意な分野だけでは、どうしても解答数に至らない場合もある。不得意な分野にもウイングを広げておく必要がある。
選択問題では、指定された数以上に解答してしまうと減点されるから注意する。

注意すべきは専門土木で、20問題中6問題と、選択の幅が大変広い。
このように選択幅が非常に広いと、どれを選んで解答すればよいか迷う場合もあるが、自分の専門分野、特に自分が関係した工事及び得意な問題をいち早く選んで解答していくことが重要である。
受験者の感想を聞くと、日頃接する機会の少ない工事に関する「法規」の問題や、この試験で重視されている「施工管理」についての問題を比較的不得意としているように思われるが、こうした問題こそ、「勉強」すれば得点にすぐ結び付くものである。
苦手意識があるとどうしても「勉強」に取り掛かることが難しいのであるが、ぜひ、積極的に取り組んでもらいたいものである。

1年に一度しかチャンスのない試験にもかかわらず、平成20年度では欠席者が23%も多くいるということは、仕事の忙しさからやむを得ず欠席したとしても、その中には準備不足による受験断念者も少なからずいることが予想されるのである。(なお、最近では「受験予定者」の発表はなくなったため、欠席者の割合は不明であるが、大きな変化はないのではなかろうか)
これから受験しようとする方は、今まで身につけた知識を体系的・客観的に整理して、確実に応用することができるようにしておく必要があるといえる。
そのためには、この受験講座を最大限に活用し、自分の専門分野を明確に認識し、その範囲の技術を十全に把握したうえで、工事を具体的に処理できるような技術として体得し、試験に臨むことが望まれる。

試験時間の配分

試験時間は、平成24年度「受験の手引き」によれば以下のようである。
     

学科試験が午前130分、実地試験が午後120分の試験時間でそれぞれ実施される。
学科試験は61問中40問解答するのであるから単純計算すると、1問当たりの時間は3分15秒で、決して余裕のある時間とは言えない。
このように限られた時間内に試験問題の“正答”を見いだす方法としては、設問に対しての誤答の肢を順次消していき“正答”の肢を残す「消去法」が一般的と考えられる。
しかし、最後に“正答”らしき肢が2つ残り、大いに迷う場合が必ずある。“正答”は必ず一つであるから、迷い出すとなかなか判断がつかず時間だけが過ぎて焦りが生じ、誤った答えを出してしまうのである。
このような時は、頭を切り替える意味で、一旦その問題から離れ、次の問題に進んだ方が良い結果につながるのである。
このようにならないため、問題用紙を開いたら、すぐ解答に取り掛からず、一度最後までざっと目を通すことを行うとよい。このとき、これはできる、これはまあまできそう、これはだめなどの印(○、△、×など)を問題番号に付けておくと、後で見なおすときの手掛かりとなる。
他にもよい方法はあるであろうが、注意すべきことは、この試験は満遍なく点を取る必要があるので、どの問題を「捨てる」かの見極めが大事だということである。

実地試験については、問題数で単純には割り切れない。
記述式解答については、常日頃文章を書くことを得意にしている人とそうでない人の速度差があるし、最近では文章を書く場合であっても、パーソナルコンピュータのワードプロセッサ・ソフトウエアを利用する人が多いため、手書きであると戸惑いもある。
施工経験記述の場合、多くの受験者は、受験準備中に予想解答を書いて暗記し、それを再現するようである。テーマが的中すればこれは早いが、外れると態勢立て直しに時間がかかる。

いずれにしても、2時間をいかに配分するかが重要なカギとなる。他の問題については、学科試験と実地試験とに学習方法について大きな差はないので、この施工経験記述の準備を十分しておくべきなのである。

以上のほかにも述べておきたいことはあるが、「受験の手引き」が出たら再度見直して追加することとしておく。
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