ブロック積み(斜面の保護・防護)

写真1のような風景を見たことがあると思います。斜面に宅地などを造成する場合、また道路を建設する場合などで、切土や盛土の法面を保護するため、このようにコンクリートで出来たブロックを積み上げることがあります。写真1左側奥のようにある程度高い斜面でも適用されます。
写真2、ブロック張り上下方のように、ある程度ゆるい傾斜の場合は、むしろに種子を埋め込んだ物などを張って植生による保護をすることもあります。これにも多くの方法があり、種子を接着剤のようなものと一緒に吹付ける方法もあります。
このような法面の保護方法には非常に多くの種類があり、それぞれ現地の条件によって使い分けられています。

これらは、あくまでも法面の保護ですから、法面がそれ自体で形状を保っている(土圧がかからないこと)場合は、植生など、抗土圧を目的にする場合は擁壁など構造物が用いられます。両者の中間的な場合(植生だけでは法面安定が保てない)には、ブロック積みなどが用いられます。

写真1 宅地造成中 写真2 ブロック積みと植生シート 

写真3から写真6は、道路を拡張するために左側の斜面をカットし、自立している期間にコンクリートブロック積みで保護する工事です。
写真3は、基礎を築造したところです。写真4は、1段目を積み、固定のためのコンクリートを打設する型枠を組んだところです。
法面は、工事中の雨などで崩壊しないよう、シートで覆われています。

写真3 ブロック積み1  写真4 ブロック積み2 

こうして、一段、一段人力によって積み上げていきます。写真5は裏込めコンクリートを打設しているところ、写真6は完成したところ、点々と見える黒いマルは水抜きです。
写真2と見比べると、模様が違います。これは、積み上げ方が違うからで、写真2の方は平積み(布積み)、写真6の方は谷積みと言います。

写真5 ブロック積み3  写真6 ブロック積み4 

ブロック積みとブロック張りとの違いは、その勾配から来ていて、おおむね1割勾配がその境界です。つまり、一般に、1割勾配より緩い時は「張り」、急な時は「積み」となります。
コンクリートブロック積みは、もともとは自然石を加工して「間知石」として積んだものを、コンクリートブロック(工場製品)で行うもので、積み方にはこれらのほか不規則に石を積み上げた「乱積み」などがあります。
石を積むというと、すぐに思い浮かぶのはお城で、写真7は江戸城赤坂見附の石垣、写真8は会津鶴ヶ城です。こちらも積み方が違っています。
尤も、お城の石垣は、盛土の抗土圧構造物と位置付けられますから、単なる法面保護ではありません。

写真7 赤坂見附  写真8 会津鶴ヶ城 

以下、いろいろな保護方法のほんの一部をご紹介します。

大きな法面の場合は、写真9のような方法も用いられます。左側は法枠ブロックの枠の中に植生を入れたもの、右側はモルタル吹き付けとアンカーを併用したものです。写真10は、右側が法枠、左側がコンクリートブロック張りです。

写真9 群馬県上野村の斜面  写真10 茨城県飯田ダムの法枠、ブロック張り 

写真11の法枠は、ある程度斜面の形状に追随させることができるので、広く用いられてきました。最近では、景観上から避けられていますが。

写真12は、ある高速道路ジャンクション盛土部の壁面です。垂直壁面にかかる土圧を、盛土中に埋め込んだアンカーや薄い鉄板や布上の帯の、盛土材料との摩擦力や粘着力を利用して抵抗させ一体的な安定を得るものです。

写真11 茨城県飯田ダム法枠 写真12 壁面をもつ盛土の補強 

こうした垂直壁面を作る方法は、他にもあり、写真13は、ブロック擁壁の組み立て中の様子です。写真右側(L形の内部)が盛土部となり、その重量で垂直壁が安定します。ブロックは水平方向にも連結されています。

写真14は、河川の護岸法面の保護を目的にした自然石による石積みです。かなり贅沢な作りのように見えます。環境配慮のためとはいえ、少し違和感を感じますが、このあたりの考え方はまた回を変えてご紹介したいと思います。

写真13 プレキャスト擁壁  写真14 自然護岸

※これらの写真は、すべて本欄執筆者が撮影したものですが、何枚かは30年以上前のものも含まれていますので、現在では情景が変わっているかもしれません。あくまでも、土木構造物としてご覧ください。

 
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