マンホール切り下げ工事

 

通常、下水道は道路下に埋設されますから、点検用や合流用のマンホールも道路に設置されます。道路の舗装面はどうしても交通量の多さや、長年の圧密で沈下します。
しかし、マンホール本体は基礎があるためあまり沈下せず、結果としてマンホールの蓋の部分と舗装面に段差がつきます。そのため、時々、マンホールの鉄蓋(と、その枠)が浮き上がっているのを目にします。
もちろん、よく管理された工事による舗装は、沈下が少ないのですが、それでも、何十年もたてば段差が目に付くようになります。それが騒音や振動の発生源になったり、街路では歩行者の歩く妨げになったりしますから、補修を考えなければなりません。
道路でのマンホール補修は、通常の方法(周囲の舗装を取り壊し、蓋の高さを周囲の舗装高さに合わせて下げ、コンクリートでずれないようにして舗装をし直す)は補修したコンクリートの硬化を待つ間、通行に支障が出ます。出来るだけ短時間に終了することが求められています。

今回ご紹介する工法は、ごく短時間でそうした段差解消を行う工法です。 

写真1 蓋が浮いて段差のできている状況です。

写真2 工事用のカッターなどが供えられた車両。

搭載されている円形カッターは、写真4のように中心に棒が出ています。

写真3 円形のカッターを伸ばします。

写真4 円形カッターのアップ。

この棒を補修すべきマンホール蓋の中心に合わせて(写真5)から運転します。写真6は、回転させながらカッティングしている様子です。

写真5 芯をあわせるところ。

写真6 切断状況。

写真7では、切断が終わりカッターを引き上げたところを示しています。必要最小限の部分だけを切り出します。
写真8では、蓋と蓋の枠をはずして切り下げた面を整形しています。

写真7 切断終了

写真8 整形

マンホールの蓋は、マンホール本体との間に調整用のモルタルを敷き詰めることによって高さを調整します。現舗装版と段差のないように調整して、また枠を乗せ固定し、周囲に急硬性の合材をつめて形を整えます。(写真9、10)

写真9 調整  写真10 締め固め

車両通行量の増大と重量の増大に伴い、また、マンホール自体の老朽化のため、補修個所は増えています。
段差があると、先にあげた騒音振動発生など(最近増えてきた市民マラソンなどでのつまずきの原因にもなります)のほか、マンホール自体も早く痛みますから、定期的な補修が必要です。
短時間で更新できるこうした工法は、ご紹介したもの以外にもいくつかありますが、いずれも道路閉鎖時間を短縮することを主眼点として考案されてきました。

写真11 完成

インフラストラクチャーは、ここにきて明確に維持補修の時代になってきました。全国で橋梁やトンネルの調査が行われ、いくつか危険個所もわかってきています。
日本の道路舗装は比較的よく補修されてきていますが、財政的な理由からは、インフラ全体の調査とともにその優先順位を細かく決めて計画的に行う時代になってきていると思われます。

※当サイトは、当該工法の使用権を保持する協会との利害関係はありません。たんに、筆者の見聞きした範囲内(「身近な土木」)での工法として紹介するだけです。従ってお問い合わせにはお答えしかねますし、採否のご判断は採用検討団体の責任において行っていただきたいと考えます。

 

身近な土木INDEXに戻る