道路トンネル換気塔


トンネルは大別して山岳トンネルと都市トンネルとに分類されます。この分類は、以前は掘削方式での分類でしたが、今では単に設置場所の区分のような感じで、都市NATMトンネルなども出てきています。
トンネルはその性質(地下構造物)上、外からは見えません。しかし、都市トンネルの下水道や地下鉄の場合は、マンホールや、マリリン・モンローでおなじみの換気孔が路上にあって、この下にトンネルがあるのだということはわかります。

近年、東京では高速道路がトンネルとして建設されています。道路がトンネルとなると、それらとは違った設備が必要になってきます。その筆頭が換気設備です。
もちろん、避難通路や非常口、非常灯、それに冠水時の排水などの設備は、鉄道トンネルと同じで必要ですが、何しろ自動車は排気ガスを出すので日常的に換気設備が重要な役割を持ちます。
それと燃料を積んでいるので、火災時の排煙も考えなくてはなりません。トンネルの天井に巨大なファンが設置してあるのをご存じの方も多いでしょう。ダクトだけがあって、ファンは隠れている場合もあります。いずれにしても、ごく短いトンネル以外は、何らかの方法で強制的な換気が必要となります。

一般的に換気方式は縦流方式と横流方式とがあり、その中でもいろいろなバリエーションがあります。
図はこちら。図および説明出典「土木用語大辞典」土木学会編 技報堂出版)。

換気方式(かんきほうしき)[ventilation system] : 機械換気の手法。車道断面での流れの方向により、縦流式、半横流式、横流式に区別される。縦流式は、一方向通行トンネルの場合に交通換気力を利用できるため、車道にダクトが不用となり経済的になるので、交通状況が安定している都市間トンネルで採用されている。横流式は、トンネル内に分合流のあるような都市部の重交通下で採用されている。また、集中排気式は、環境対策を考慮し組合せ方式として採用さわる場合もある。


どれを採用するかは、トンネルの大きさや長さ、一方通行か双方向通行か、または立地などによって変わります。大深度地下の道路が現実のものとなってきた現在、こうした研究は盛んにおこなわれています。

ところで、換気とは汚れた空気を外に出し、きれいな空気をとりいれることです。これが出す時も工夫が要る点です。ずっと問題になっている浮遊粒子状物質(
SPM)が自動車の排気ガスには含まれています(他にも発生源はあります)から、そのまま出せば問題になります。大気による拡散希釈は、排気口の形状や場所を考えないとうまくいきません。電気集塵機を備え付けたりして対応します。
設備に関する話題はなかなか専門的になり「身近」とは言えないところがあります。

身近な問題としてはもう一つ、都市での景観という問題があります。
写真
-1は、東京湾横断道路(アクアライン)の換気塔です。これは海上なのでそれほど違和感がありません。写真-2は、首都高速湾岸線東京港トンネル換気塔です。対岸にも同じようなものが見えます。なにか巨大なビルのように装われています。

写真1 東京湾横断道の換気塔

写真2 東京港トンネル換気塔(この写真も私が最近撮影したものです)

この辺までは景観上、あまり違和感はないようです。

写真
-3首都高中央環状新宿線工事中の写真です。都市の真っただ中に建つ換気塔です。

写真3 中央環状新宿線の換気塔

これが、トンネルの延長上に何箇所も建っています。周囲の建物とは、これも違和感のないような外観になっていますが、何しろ道路の中央に建つので、邪魔な感じは否めません。それに、先のSPMSOXなどが街中にまき散らされる感もあります。もっとも、通常の道路でも同じだと言えばそうですが。

 
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