国総研・土研一般公開

つくば市に集積している研究機関では、毎年「科学技術週間」に合わせて一般公開を行っています。今回は国土交通省関係として「国土技術政策総合研究所」及び「土木研究所」が公開されましたので、その見学に行ってきました。以下は、その見学記です。

国土技術政策総合研究所」及び「土木研究所」の詳細については、リンク先をご覧ください。今回の見学は、自由に見て歩くのではなく、大型バスにより決められた個所をツアーするものですので、以下の見学記もその部分だけになります。

国土技術政策総合研究所 土木研究所
写真1 国土技術政策総合研究所 写真2 土木研究所

ツアーを開始する前に、珍しいものをご紹介しておきます。写真1の国土技術政策総合研究所前、向かって右手に写真3のような一角があり、木が植えられています。その前の説明板には、英語と日本語で説明がありますが、その日本語の部分は写真4の通りです。

ニュートンのリンゴの木
写真3 ニュートンのリンゴの木 写真4 リンゴの木説明

バスが出発するまで、少しの間パネル展示を見学します。私は早く着いたつもりでしたが、すでに何人かの方がいらっしゃっていました。

玄関前パネル展示(これが橋梁の3大損傷です) 国総研ロビー
写真5 玄関前パネル展示(これが橋梁の3大損傷です) 写真6 国総研ロビー

写真5は、最近何かと問題になっている橋梁の損傷状況を表しています。3大損傷とは「塩害」「アルカリ骨材反応」「疲労」です。Webでは色々なサイトで解説がなされていますが、見学先のこのサイトなどを参考にしてください。

いよいよ出発です。

まず、実物大のトンネル(延長700m、断面積45.5u)など各種の施設を見ます。次に広大な試験走路において高速走行体験です。写真7は実大トンネルに入ろうとしているところ、ムービーは高速試験走行の様子です。シートベルトで固定されての撮影なので、少し見にくいかもしれません。

これらの詳細は国総研のサイトよりこちらをご覧ください。

試験走路体験(正面は実大トンネル)
写真7 試験走路体験(正面は実大トンネル) ムービー 高速走行体験(ビデオ)

写真8は、おなじみ構造物実験施設です。実物大の供試体から小さな供試体まで破壊したり非破壊であったり、ともかく色々な試験を行う施設です。

構造物実験施設
写真8 構造物実験施設

写真8左側の機械は写真9に全体を納めましたが、天井まで届きそうな大きさです。これは、「30MN(メガニュートン)大型構造部材万能試験機」というものです。性能その他詳細はリンク先を参照してください。

その説明によれば【本試験機の載荷能力は圧縮30MN、引張10MN であり、国内最大の規模を有しています。これは米国の載荷能力54MN という世界最大規模の試験機に次ぐものです。また、大型の供試体にも充分対応できるように大きな試験空間を有しています。】とのことです。

30MN大型構造部材万能試験機 説明を聞く 実験用部材など
写真9 万能試験機 写真10 説明を聞く 写真11 実験用部材など

次に向かったのは、橋梁撤去部材展示場です。先の3大損傷のため撤去された橋梁の一部が展示されています(写真12、13)。

鉄筋コンクリート橋撤去部材(塩害) 鋼橋撤去部材(疲労)
写真12 鉄筋コンクリート橋撤去部材(塩害) 写真13 鋼橋撤去部材(疲労)

ここで目を引くのは、火災により損傷を受けた鋼橋部材です。2008年8月3日午前5時50分頃、首都高速5号池袋線(下り)熊野町ジャンクション付近においてタンクローリーの横転炎上による火災事故があったのは記憶に新しいですが、その際に焼けただれ曲がった鋼橋部材がここに展示してあるのです。

以下の3枚の写真(写真14、15、16)は熱による損傷の凄まじさを物語っています。経緯などはこちら(首都高サイト)を参照してください。

首都高鋼橋損傷(1) 首都高鋼橋損傷(2) 首都高鋼橋損傷(3)
写真14 首都高鋼橋損傷(1) 写真17 首都高鋼橋損傷(2) 写真18 首都高鋼橋損傷(3)

3か所目は舗装走行実験施設です。ここでは、新開発の舗装の紹介などを見学しました。写真19はヒートアイランド対策のための熱を蓄積しない舗装のデモです。手前のモニタに現在の舗装と新開発の舗装が、温度センサで色分けされて映し出されています。

写真20は多孔質弾性舗装のデモです。廃タイヤなどのゴムチップを接着剤で固めた舗装です。ゴムの弾性が車両走行時の衝撃を緩和し、騒音を少なくすると言います。

写真19 ヒートアイランド対策舗装 写真20 多孔質弾性舗装

屋外ではGPSを使って無人で走行する荷重車を見学しました。舗装の耐久性などを確認するために、積載荷重を変えて走行を繰り返すのだそうです。

写真21 無人で動く荷重車 写真22 荷重車走行中

このようにして、約1.5時間の駆け足でしたが、なかなか面白い見学でした。

これら以外にも少し見学できた場所もありました。写真23はちょっと見にくいですが、風洞実験用の長大吊り橋の模型です。

また、世界の水関連災害を防止・軽減するための組織が、土木研究所内にあります。ICHARM(アイチャーム)と言います。パネル展示は横目で見ただけでしたので、興味のある方はリンク先をご覧ください。

写真23 風洞実験用長大橋模型 写真24 水災害・リスクマネジメント国際センター(アイチャーム)

広大な敷地からは筑波山がすぐ近くに見えます。あいにくくもり空でしたが、それでも写真25のような具合でした。

写真25 筑波山

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