ライナープレート立坑工事


先に鋼矢板立坑工事の項で、土留め壁の種類は、掘削する深さによって、簡易なものから十分剛性と止水性が保たれるものまでたくさんあります、と書きましたが、今回は、その簡易なものの中で広く使われている材料と工事をご紹介します。
それが下の写真1のライナープレート(liner plate)です。(入荷したところ。左側はマンホール鉄蓋)

写真1 ライナープレート

ライナープレートは、薄肉鋼板に波付け加工をして、その4辺にフランジを設けた構造部材です。アンリカで初めて製造され、日本には昭和30年代に導入されました。仮設用土留材、集水井戸、横坑など、広く用いられてきています。また、形状も、円形から小判型など、いろいろあります。

ここでは、このライナープレートを使って、下水道小口径推進用の円形立坑を築造している状況をご紹介しようと思います。

小口径推進用の立坑は、通常、立坑としての役目を終えると、その中にマンホールを築造しますが、円形であると支保工がないので、組み立て式のマンホール据付などは非常に楽に行えます。ここでは、組み立てマンホール据付までを1工程とします。 

写真2 位置の確定 写真3 覆工準備

以下、順を追って工事をみていきます。

写真2のカラーコーンで囲ってあるのが今から立坑を設置する箇所です。推進は、向かい側の道路横断箇所を施工する予定です。この場所は歩道なので覆工して工事の休止時には歩行者を通すようにします。写真3は、そのための鋼材と覆工板を搬入したところです。 

写真4 初期掘削 写真5 覆工桁架設  

地下埋設物などの確認を済ませてから、覆工のための掘削を行います(写真4)。舗装と路盤を撤去掘削し、覆工板受けの鋼材を路面に並行に設置します。こうした路面が水平ではないところでは、段差ができないよう気をつけます。

写真6 覆工受け完了(別現場) 写真7 ライナープレート組立て練習

写真6は、別の現場の写真ですが、覆工板がずれないよう枠をつけています。ここに作業のないときは覆工板をかぶせます。残念ながら、覆工の写真はありません。あしからず。
右側の写真(写真7)は、完成させる訓練で、地上で組立てています。1段目の精度が構築精度(鉛直性、水平性、偏心のないことなど)に影響を及ぼすため、このまま1段目として据付します。

写真8 掘削(1) 写真9 ライナープレート組立て

写真8では、一段目が動かないように鋼材で固定してあるのがわかります。こうして、下段に順次ライナープレートを組立てて掘り下がります(写真9)。

写真10 掘削(2) 写真11 掘削(3)(別現場)

内部は、基本的に人力で掘削(写真10)しますが、地盤のよい場合などは写真11のように機械(クラムシェル)による掘削を行う場合もあります。深くなれば、掘削残土楊土にも使用します。下の写真12が、工事風景です。

写真12 工事風景 写真13 底盤コンクリート打設

所定の深さまで掘削したら、底盤のコンクリートを打設します。立坑工事はここまでで終了です。この工事の場合、地下水がひどく出ることなく無事終わりました。

写真14 裏込工 写真15 昇降ステップ

写真8、9でお分かりのように、ライナープレートの外側(地山側)には、組立てるために空間が残りますから、順次裏込めを施工します。
写真14は、ライナープレートを一部撤去した時の地山側の様子です。白っぽい部分は、裏込めモルタルです。きちんと波板の形状に入っているのがわかります。この裏込めは重要で、不十分であると、周辺地山の緩みによる地盤沈下などの原因になったりします。
また、写真13などでは、はしごを使っていますが、写真15のようなステップや、背もたれのついたそれなどがオプションとしてあります。手すりは、覆工する時に支障しますから、取り外しのできるようになっています。

写真16 推進管 写真17 先導管

さて、推進工事です。詳しくはまたの機会にご紹介するとして、上に、硬質塩ビ推進管(写真16)と、先導するオーガーヘッド(写真17)だけを載せます。

写真18 推進工 写真19 到達工

写真18は、推進中、先導管をセットしているところです。写真19は、既設マンホールにヘッドが到達したところです。

写真20 組立てマンホール入荷 写真21 マンホール組立て工(別現場)

最後に、組立てマンホールを設置し、周囲を埋戻して終了です。写真21は、別の簡易土留め使用の現場で、鉄蓋固定用のモルタルを流し込んでいる様子です。組立てマンホールについては、推進工事でも開削工事でも変わりませんから、参考までに掲載しました。

こうして、ライナープレート立坑工事が一通り済みました。通常は、今後の埋設管工事や、道路改良時に支障するといけないので、ライナープレート立坑上部の何段かは、埋戻し復旧の際取り除きます。

 


 
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