セメント鉱山

少し遅れましたが,あけましておめでとうございます.本年もこの「身近な土木」をよろしくお願いいたします.

さて,土木だけではなく建築も含めて,我々の使用する材料のうち,鉄鋼と並んで最も身近な一つが,セメントです.
セメントは石灰岩から作られ(四大原料は,CaO,SiO2 ,Al2O3 ,Fe2O3),日本では数少ない自給できる資源です.尤も最近では,輸入もされていますが.
そこで,今回は,その原料のうち石灰岩を採取している鉱山を訪ねて見ましょう.

鉱山入り口

これは鉱山入り口です.バックの山は自然のままでしょうか.右端の方は人工的な段切になっています.

ベンチカット工法

この角度では白い石灰岩の山が,段々(ベンチカット工法)になって削られているのが良くわかります.

原石の搬出

ぐっと近寄ってみます.鉱山よりベンチカット方式により採掘された原石は,ベルトコンベアで運ばれています.結構大きな砕石で,こぶし大あります.
人影はありませんが,危険なので中には入れません.
ここから先は大型ダンプトラックで運搬され,プラントに移動します.
では,簡単にセメントの出来るまでをおさらいします.

原料工程
石灰岩とそれ以外の各種原料(粘土や製鉄所の排出物)を目標の化学成分になるよう配合し,原料ミルでキルンの排ガスを利用して乾燥粉砕します.
粉砕された原料は,原料サイロで均一に混合され,予熱装置に送りこまれます.

焼成工程
予熱装置の上部から投入された粉末原料は,キルンの排ガスと順次熱交換をしながら降下し,キルンの中に入ります.
原料は,キルンの口元から微粉炭バーナーで約1450℃の高温焼成され,クリンカ(焼塊の半製品)となり,空気冷却された後,クリンカサイロに貯蔵されます.

仕上げ工程
クリンカに石膏を加え微粉砕するとセメントの出来上がりです.
セメントは,一旦サイロに貯えられた後,トラックまたは貨車で出荷されます.

セメントは原料を高温で焼成するため,燃料が多く必要で,最近では,本来の燃料である石炭の他に廃タイヤや廃油,ゴミ固形燃料=RDF(Refuse Derived Fuel)などが使われ,リサイクルに一役買っています.しかし石炭以外のものは,カロリー(発熱量)のばらつき,カロリー低下(廃油:石炭の半分),燃焼効率低下(廃タイヤ:70%)などの欠点があります. 石炭灰は,原料として利用されるので,外に出ません.排水汚泥もまたセメント原料に利用しているように,リサイクルとは縁が深くなっているのです.

 

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