ウエルポイント工法


「身近な土木」は、今回から、PartUとして、開始します。種々雑多を改め、多少とも土木施工に関わりの深い事項に絞っていくつもりですので、御愛読ください。


地下水の多い地盤を掘削する際の補助工法には、いろいろな工法がありますが、比較的浅い掘削に用いられる手軽な工法として、ウエルポイント工法があります。
この工法は、ジーメンスウエル工法から発展したもので、同工法のサクションポンプによる集水を、強力な真空ポンプに置き換え、強制的に排水することが原理となっています。
真空ポンプですから、最大吸込み理論揚程は10m、実際には6m程度です。強制排水ですので、やや透水性の悪い地盤(k=10-4〜10-5p/sec)でも適用できますが、実際の適用は砂地盤が多い工法です。仕組みは、次の図の通りですが、本項では、実際の写真を掲載して、その説明を行ってみます。

 「土木工法事典 改訂X」(産業調査会2001年)174ページ


 
溝を掘って、ヘッダーパイプを並べています。場所によっては路上に配管することもあります。水量によってパイプのサイズは変わりますが、この写真の場合ではφ=6インチです。小山にしておいてある砂は、上図の砂フィルターに使用する粗目砂です。この写真は、並べて接続し終わったところです。 

ウエルポイントをライザーパイプに接続したところです。ウエルポイントの構造は、下の図の通りです。後で説明する打込み(挿入作業)の時と、運転するときでは、ポイント部分の働きが異なります。
 


「土木工法事典 改訂X」(産業調査会2001年)173ページ  


いよいよポイントの打込みです。ポンプで水を噴射しながら、人力で地盤に押し込んでいきます。

  
作業中の全景です。
  

後から粗目砂を投入しています。 
 
 
ライザーパイプとヘッダーパイプを、スイングジョイントで接続します。


  
この後、埋戻して完了、運転を開始します。少し見づらいですが、手前の赤い四角は受電盤、その奥がノッチタンク、向こう側の赤いものがポンプの配電盤です。
 
 
 
 
セパレータータンクに取り付けた、真空状態の確認のためのメーターです。運転中です。

 ウエルポイントは、浅い部分の地下水を広範囲に引くので、地盤の沈下が発生する場合がありますから、運転中は十分注意が必要です。 目的とする工事が終了したなら、ウエルポイントも撤去します。一本ずつ引き抜いて、後を埋め、復旧します。 


 
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