目に付いた土木(1)


 町を歩いていると、いろいろな土木に出会います。
 今回は、これといったテーマを設けずに、歩き回っていて目に付いた土木をご紹介しようと思います。中には、建築との境界領域も含まれていますが、それはご容赦。 

 以下、今回は最近のものを取り上げました。カメラの性能によって、若干見苦しい部分もあります。これもまたご容赦。

写真@ 橋の落下防止装置 写真A これも橋の落下防止装置

地震が起きると、橋が落下するのは、古くは新潟地震、最近では兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)で経験しました。そのため、既存の橋の耐震補強も、橋脚などの補強のみならず、こうした落橋対策も採られています。この写真は、鉄道を横断するかなり古い道路橋ですが、ワイヤーでつないだり、ピン構造の金具をつけたりしています。全体の重量から想像される大きさよりはずいぶん小さなものだと感じますが、これが威力を発揮する場面が来ないことを願います。

写真B 地下鉄のトンネル中柱補強 写真C 地下鉄のトンネル中柱補強の全体像

トンネルは地震に強いというのは、自称トンネル屋の私も言ってきたところですが、兵庫県南部地震では、ボックスカルバートのトンネルが崩壊しました。これもまた、既存の地下鉄には多いので、中壁(柱)を厚くしたり、空間のほとんど無いようにつないで面積を大きくしたりしていますが、この駅では、鋼管で補強していました。部分的に見ると違和感を感じますが、写真Cのように見ると、なんとなく統一された眺めになっています。

土木構造物は、見て安心感のあるものはたいてい理にかなっています。これは、土木の経験者が、長い間土木構造物を見続けていて、そのためにある種の基準が出来上がってるからでは無いかと思います。これは、土木に限らず、どんな技術の世界にもあるようで、耐震偽装問題の時、現場の技術者の鉄筋量に関する疑問がすこし報道されましたが、大きな声にはならずに住んでしまったことは、なんとも釈然としない部分を残しました。

写真D 駅の屋根トラス構造 写真E ローゼ橋

なんだか教科書に出てきそうな、中身がよくわかる構造物です。写真Dは駅コンコースの屋根ですが、きれいな三角形が連続していてよい雰囲気であると思います。
最近、家の筋交いの重要性を認識させるため、子供たちに模型で説明する様子を新聞記事で読みましたが、土木の世界でも、そうした試みがなされているのでしょうか。どうも土木の世界では、そのインフラストラクチャーがなぜ必要かの説明にばかり走り、基礎的な土木の面白さを伝えることが少ないように思えます。
海水浴で砂浜に行ったとき、砂山を作りそれをくりぬいてトンネルにしたような経験は誰にでもあると思うのですが、それがなぜ崩れないかを説明できる場面には会ったことが無いように思われます。「おもしろ理科先生」などという制度があって、科学者が子供たちにいろいろな実験を見せていますが、ぜひ、こうしたことも取り上げてほしいものです。

写真Eも、最近では斜長橋やつり橋ばかりが脚光を浴びている中で、教科書に載せたい形です。尤も、この橋は路面がひび割れて原因がよくわからないと聞いたことがあります。構造か施工か、気になるところですが。

写真F 秋葉原駅の旧構造物(1) 写真G 秋葉原駅の旧構造物(2)

写真Dは「つくばエクスプレス」(TX)守谷駅のものですが、この線の基点秋葉原駅はJR秋葉原駅の地下にあります。そんなわけで乗り換えによく利用しますが、JR秋葉原駅もきれいになりました。その中で、一部ですが写真FGのように、古い部分が見えている箇所があります。この空間は、今は何にも使用されていないようで、よく観察できます。鋲で鋼板をつないで構造物とした様子がよくわかります。塗装は最近のものなのでしょうが、素人の疑問としては、隠れている部分の今後のメンテナンス(点検、補修など)はどうするのかな、と思ってしまうことがあります。だいぶお年をめしているような構造物が、パネルの向こうに隠れているかと思うと、心配性な私は、少しだけ不安を覚えるのですが。

 


 
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